東京ちんも日記

生。社会。すべてが、てんこ。

このような感情はどうすればいいのだろう

  マネジメントを放置している駄目上司のご家族に不幸があったらしく、最近休みがちである。憎もうにも憎めなくなった。ぼくの怒りの矛先はどこへ向ければいいのだろう。

  もともと駄目上司は人間としては面白い部分があり、怒りをぶつける気になれない人だ。忠言しても笑ってごまかされる。彼のそのような気質がいったい何人の部下を苦しめてきたのか知らない。同時にこの気質がいかに人の上に立つ人間としての彼の成長を阻害してきただろう。彼の人間性があるから、彼の仕事への不満を口に出せないという部下は多いだろう。彼は改善のきっかけを失い続けてきたに違いない。だとすればある意味で彼も不幸な人間だ。


  深夜の下北沢を歩いていた。もともと小田急線が走っていた場所は、線路の地下化のためにここ数年ほど大規模な工事が続いている。現場の入り口には通行人の闖入を防ぐためだけに作業着姿で夜通し立ち尽くしている警備員がいる。昨夜、初めてその中に女性がいるのに気づいた。ヘルメットの下から、白髪を肩まで伸ばした老婆だった。そばを歩くと強い香水の匂いがした。また香水の中でも明確に誘惑を目的とした種類のものに思えた。そんなに強い香りを漂わせている老婆に遭遇したことは、ぼくはこれまで一度もなかった。そして夜の街の香りを身に纏った老婆が寒空の下で作業着を着ているのに、哀感を覚えずにはいられなかった。また一晩中立ち尽くすだけだということを知っていながら、体に香水をふりかける老婆の過去と今の生活に思いを馳せざるを得なかった。