東京ちんこdream 4
エスカレーターに乗っていると何気なくその黒さが目についた。
「エスカレーター・は・黒い・のだ」
それはぼくにとっては新しい真理だった。
エスカレーターは、黒く、その縁は、黄色いラインで、彩られていた。
でもぼくは、その、ぼくにとっての新しい真理を疑ってみた。
「なぜ・エスカレーター・は・黒い・のか」
それはぼくのBOSEのヘッドホンが銀色なのと同じ程度に必然的で意味のあることなのだろうか。
エスカレーターを上りきると駅のホームだった。
ぼくはそこで若いロックバンドの連中とすれ違った。