東京ちんも日記

生。社会。すべてが、てんこ。

東京シティボーイ日記 〜2014年のハロウィーン〜

  仕事帰りに渋谷を歩いていると駅に向かうにつれある種の異様な空気が満ちてくるのに気づきた。そのうちに一目で白雪姫と分かるコスプレの若い女の子が青いドレスの友達と連れ立って歩いているのを見かけ、今日がハロウィンだったと思い出した。
  センター街につく頃にはすでに歩くのが困難になるほどの人手になった。スクランブル交差点の辺りではほとんど移動ができないほどの混み合いだった。渋谷の街を覆い尽くしていた人々は、そのほとんどが、見覚えのあるものからないものまで、派手なコスプレをした若者や外人達で、ぼくはひどく間違った場所に行き着いてしまったのに気づいた。
  ぼくに分かる衣装は、白雪姫やナースやウォーリーやゾンビくらいなものだったが、それら以外にも恐らくアメコミやディズニーの登場人物かと思われるキャラクターが跋扈していた。しかも少なくないコスプレが、キャラクターの衣装を着た上でさらに体のあちこちに多量出血の血のりをつけていたりした。それはぼくに今世界で流行しているエボラ出血熱を連想させないこともなかった。その名の通り谷型の地形をしている渋谷の川底にあたるスクランブル交差点に、浮かれきった若者と外人が身動きも取れないほどに詰めかけている様は、ぼくに嫌な想像をさせた。
  若い女の子は友人たちと同じ格好をしていることが多かった。ある層の女子大生たちの服装と髪型がみな同じであるみたいに。そのような集団はナースやゾンビのコスプレであることがほとんどだったが、中にはウォーリーの集団もいて、赤と白のボーダーカットソーが何枚も横に並んで着主の歩行にあわせて揺れる光景はめまいが起きそうだった。スクランブル交差点を抜けて人通りが落ち着くと、ナウシカやキキなど、思い思いにジブリのコスプレをした女の子たちもいて、派手なコスプレのごった煮に疲れ切ってしまったぼくには一抹の救いだった。
  下北沢へ帰って駅前に降り立つとそこにもコスプレの集団がたむろしていて、いい加減に見飽きたと言う他なかった。少し古本屋を覗いていつもの中華料理屋に向かったが、臨時の休店日だった。そこで南口の外れにあるカレー屋でビールとカレーの食事をして、それから喫茶店でワインを飲んで帰った。
  喫茶店で会計の時に一万円札で払おうとしたが、お釣りがないとのことだったので、一度外に出て近所のコンビニでガムを買ってお札を崩してから会計した。