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東京ちんこ倶楽部 〜哀しみのLast dance〜

生。社会。すべてが、ちんこ。

東京ちんこdream 5

ぼくはどこの誰だか知らない男女数人と共同生活をしていた。部屋がいくつかあった。木造の古いアパートのようだった。広い居間があり、安っぽい箪笥があった。ぼくは居間の隣の2畳ほどの部屋でレム・コールハースの本を読んでいた。すぐそばに若い女がいて、彼女もなにか本を読んでいた。村上春樹の小説のようだった。

「猫がまたあそこに入ってる」と彼女が顔を上げて言った。ぼくは彼女の目線を追った。視線の先には食器棚のようなものがあった。ぼくは立ち上がってそれをのぞいた。近づいてみるとそれは食器棚とは少し違ったもののようだった。押入れのように上下が分かれていたが、奥行きはほとんどなく、うすいガラスの板が立てかけられていた。中にはがらくたのようなものがぽつぽつと置かれたままになっていた。この家に住んでいる人々は誰も、少なくともここ数ヶ月の間、この棚のようなものに手を触れてこなかったのに違いなかった。

猫はその上の段の隅に丸くなって寝ていた。茶白のまだ若い猫だった。ぼくは猫に触れてみた。頭を撫でると、後頭部の皮膚がずれて、中に、2つの目玉と、脳漿のようなものが見えた。目立は虚空をゆったりと眺めていた。

猫は静かな寝息を立てて寝ていた。ぼくはそばにいた女に猫を病院に連れていくと言ってその家を出た。寝ている猫を抱いて、ジャスコの一階の入り口の近くにある動物病院に連れていった。医者に猫を預けて待合室にいると、猫を心配してぼくの両親と弟がやってきた。ぼくは今まさに猫は医者に診てもらっていることを彼らに告げると、煙草が吸いたくなったので、病院の待合室を離れた。

お手洗いの近くにあるはずの喫煙所に行こうと歩き出すと、子供用の小さなゲーム機がいくつか並んでいた。その一つを覗いてみると、岡崎京子が80年代に出演した映像作品が100円で流れるようになっていた。どの映像を流れるのかは、ルーレットで決まるようだった。